配当生活を実現するインカムゲイン投資のポートフォリオ
インカムゲイン投資は、キャピタルゲイン投資と比べると収益が安定しているため、セミリタイヤ生活者のように給与収入が無い方には適しています。本記事ではインカムゲイン(配当や利子)で生活費を賄う場合のポートフォリオの考え方を紹介します。
- 生活費を賄うにキャピタルゲイン投資よりインカムゲイン投資
- Jリートをポートフォリオのコアとする
- 株式は高配当株をポートフォリオの一部として組み入れ
- インフラファンドは利回りがいいが、将来性には疑問
- 現時点では債券は対象外
- 私のインカムゲイン投資のポートフォリオと配当利回り
- 将来的にはキャピタルゲイン投資に集中
生活費を賄うにキャピタルゲイン投資よりインカムゲイン投資
株式投資の本質はキャピタルゲイン投資で、優良企業の株式を大量に購入し、それを長期で保有することだと考えています。
しかしながら、会社員が副業として株式投資を行う場合は生活費を給与収入でまかなえるので、キャピタルゲイン投資一本でもいいですが、専業投資家やセミリタイヤなどの場合、生活費を収益が不安定であるキャピタルゲイン投資だけでまかなうのは難しく、収益(配当や利子)が比較的安定しているインカムゲイン投資が必要だと思います。
私の場合も、セミリタイアでの生活費を得るためにキャピタルゲイン投資と並行して安定高利回りを狙ったインカムゲイン投資を行っていますので、その投資内容(ポートフォリオ)を紹介します。
Jリートをポートフォリオのコアとする
インカムゲイン投資で対象となる金融商品は、債券、株式、Jリート(上場不動産投資信託)が候補となりますが、以下の理由により、Jリートをポートフォリオのコアとしています。
東証一部上場株式の予想平均配当利回り:1.83%(2021/2/17現在)
Jリート平均分配金利回り:3.73%(2021/3/11現在)
- 賃料収入を分配金の主な原資としていることから、株式の配当金と比べて安定性が高い傾向にある。
- 債券は世界的に利回りが低下し、株式やJリートの配当より利回りが大幅に低い。
Jリートは運用資産が分散するように複数保有
Jリートは分配金が安定していると話しましたが、運用している投資法人の破綻や地震などの自然災害による保有不動産の棄損などのリスクがあります。
また今回のコロナ禍の影響でテレワークの普及によるオフィス空室率の上昇、インバウンドを含めた宿泊需要の低下などが発生し、オフィス系やホテル系のJリートを中心に分配金の引き下げがみられました。 これはコロナ禍以前では全く想定していなかったことです。
以上のようなリスクを低減するためには運用資産(オフィスビル、住宅、商業施設、ホテル、物流施設、ヘルスケア施設)が分散するように複数のJリートを保有することが重要となります。
全ての運用資産を保有する必要はないと思いますが、オフィスビル、住宅、物流施設を含んだ数銘柄を保有することを推奨します。
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株式は高配当株をポートフォリオの一部として組み入れ
株式は、Jリート並みの配当利回りがある高配当株のみをポートフォリオの一部として組み入れることを推奨します。
ただし、高配当株の中には、成長性が見込めないために株が売り込まれ、その結果として配当利回りが高くなっているものがありますし、業績悪化による減配リスクもありますので、企業価値や成長性をもとに選択しなければなりませんが、難度が高くそして労力が必要です。
従って、ポートフォリオの分散のために、1~2銘柄を組み入れることを推奨します。
組み入れの例ですが、、市場金利の上昇はJリートにとってマイナスとなりますが、金融関係はプラスとなりますので、利回りの高い銀行株などは分散効果が高くなります。
逆に、不動産関係の企業の場合、概ねJリートとの相関関係がありますので、組み入れない方がいい例です。
以上のように、Jリートとの相関関係を考えて選択することが重要となります。
また、可能であれば、キャピタルゲイン投資の銘柄と共通であれば望ましいです。
インフラファンドは利回りがいいが、将来性には疑問
Jリートと似た仕組みにインフラファンドがあります。発電所、空港、道路、鉄道、学校などの社会基盤 (インフラストラクチャー) に投資し、そのインフラから得られる収益を分配金として配当するファンドですが、今のところ日本で上場しているインフラファンドは7銘柄で全て太陽光発電設備に投資するものです。
配当利回りは6%台のものが多く魅力的ですが、まだ認知度が低いため市場規模が小さく流動性が低いことがデメリットとしてあります。また収益の大部分は太陽光発電設備で発電された電気の固定価格買取制度によるものが占めますが、今後新規で取得する太陽光発電設備については買取価格が下がっていきますので、今の利回りが将来にわたり得られるかは分かりません。そういうこともあって、利回りが高くなっているという側面もありますので、注意が必要です。
個人的には5~10年程度は高利回りは維持され、場合によっては認知度が高まり投資口価格が上昇していく可能性もあるとみて、テスト的に1銘柄保有し様子を見ています。
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現時点では債券は対象外
債券は収益が一番安定しているため、本来ならば第一候補なのですが、世界的に利回りが低下し、国内株式の配当利回り平均より大幅に低いため、現時点ではポートフォリオには含めていません。ただし、将来的に利回りが上がってくれば加えていく予定です。
私のインカムゲイン投資のポートフォリオと配当利回り
以上がポートフォリオの考え方ですが、これを元に構築した現時点での私のポートフォリオは
Jリート:70%(5銘柄)
高配当株:20%(2銘柄)
インフラファンド:10%(1銘柄)
となり、それぞれの配当利回り(税引き後)は以下のとおりです。
Jリート:5.1%
高配当株:4.6%
インフラファンド:5.1%
将来的にはキャピタルゲイン投資に集中
冒頭の話にもどりますが、株式投資の本質はキャピタルゲイン投資だと考えていて、具体的には、優良株を大量にそして長期で保有することを目指していますので、将来的にはキャピタルゲイン投資に集中していく予定です。
キャピタルゲイン投資株が増えていけば、その分配当も増えていくので、それに応じた分のインカムゲイン投資株を売却し、その売却分をキャピタルゲイン投資株の購入に充当していく事でキャピタルゲイン投資を拡大していく計画です。
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